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健康と食品の解説

赤ブドウ由来でないレスベラトロールのご質問:レスべとは

赤ブドウ由来でないレスベラトロールのご質問が急増しています。 ご質問にはブドウ・レスベラトロールとの相違、摂食量について下記のようにお答えしています。 Q: レスベ3粒のレスベラトールは4.5mgになりますが あるメーカーのサプリは1日分がレスベラトロール30mgとなっています レスべはどれぐらいから効果があるのでしょうか? A: レスベラトロールはある種のポリフェノールの総称です。 いろいろな植物に含有されており、植物によって機能も安全性も異なります。 レスベラトロールは化学合成された物質も実験用、サプリメント用に作られています。 ご質問のレスべラトロールは長命草由来であり、天然のブドウ・レスベラトロールではありません。 効能も安全性も大きく異なり、比較は困難。 成分含有量でのパフォーマンスを云々できません。 長命草のレスベラトロールはワインのレスベラトロールとは異なるものですが、 ブドウ由来の天然レスベラトロールならば一日にワイン50杯分と公称する量はお奨めできません。 長命草、メリンジョ、イタドリなどは、ともにブドウ・レスベラトロールの疫学的効能研究を 引用しています。 世界の長...
健康と食品の解説

ノーベル医学生理学賞(2009年)を受賞したテロメラーゼの発見: テロメラーゼはレスベラトロール研究の土台

2009年のノーベル医学生理学賞が授与されたテロメラーゼの発見とその機能解明は ブドウ・レスベラトロール研究の土台。 テロメラーゼを活性化する酵素に働く物質の探求が赤ワインのポリフェノールである ブドウ・レスベラトロールの機能発見につながりました。 このコラムはノーベル賞を機に過去に書かれた記事より主要部分を抜粋したものです。 1.2009年のノーベル医学生理学賞 2009年のノーベル医学生理学賞は1985年にテロメラーゼ発見と機能解明に関与した3人の学者に 授与されました。 エリザベス・ブラックバーン女史は1970年代よりテロメアの研究に取り組んでいたそうです。 キャロル・グレイダー(Carol Greider) (1961年生まれ:米国人女性) ジョンズ・ホプキンズ大学勤務: カリフォルニア大学卒(サンタバーバラ校、バークレイ校) エリザベス・ブラックバーン(Elizabeth Helen Blackburn) (1948年生まれ:オーストリア人女性): カリフォルニア大学(サンフランシスコ校)勤務:メルボルン大学、ケンブリッジ大学卒 ジャック・ゾスタック(Jack W. Szos...
しらす・さぶろうの日本人がんばれ!観光立国編

第五十五話:公有地での独占的観光事業の欠点:スタジオ・ジブリ

スタジオジブリが占有する三鷹の森(都有地)   年間700万人くらいで永らく低迷していた来日観光客が今年になって増加。 2500万人の目標にはほど遠いが、ひとまずは2000万人の大台乗せが予想されている。 ビザ条件の緩和、円安が来日外国人増に貢献といわれるが、 観光立国が出来るほどの条件が整備されたわけではありません。   最も大きなターゲットとなるべき中国の観光客は総出国者4000万人のうち 来日が100万人程度(2013年)。 政治問題ばかりがネックではないでしょう。 たびたび取り上げてきましたが観光立国に重要な要素である宿泊、鉄道運賃、 有料道路、ガソリン税、光熱費が国際的には信じられない高料金。 先進国ではおそらくナンバーワン。 加えて、観光インフラの一つともいえる様々な公共性の強いエンターテインメント施設の 殿様商売。 公共事業や公有財産を使用している公共性を持つべき私企業の独占事業は、 幅広い所得層に対応した、公平で良質なサービスを提供するのが当然。 一部の富裕層だけを対象にするものではありません。 昨年のスカイツリーの高額入場料を筆頭に、数十万円といわれるJRの超豪華列車...
健康と食品の解説

長寿遺伝子を活性化するブドウ・レスベラトロール(resveratrol)とは

ブドウ・レスベラトロール(ワイン・レスベラトロール)とは赤ワインを常飲しているフランスの 地方住民に心臓血管病、糖尿病発症が非常に少なく、長寿であるという疫学的研究から 発見された長寿のポリフェノールです。 1.赤ワインのレスベラトロール(resveratrol) 熟成を終えたワインや、ノベッロ(イタリー)、ヌーボー(フランス)など 新しい赤ワインの発売時期を迎え、赤ワインに含まれる レスベラトロール(ポリフェノールの一種)がタイムリーな話題となっています。 2003年に王壮快のコラムではワイン・レスベラトロール(resveratrol)を 長寿のポリフェノールとして取り上げましたが、今回の話題はワイン・レスベラトロールが、 糖質を分解する細胞内のミトコンドリアを増やし、高カロリー摂食の場合でも 肥満、糖尿病などの生活習慣病の原因を防ぐことができるというものです。 11月1日のネイチャー誌(電子版)に発表された論文によると、 実験はこれまでに3年近く経過していますが、半年で顕著な傾向が現れたそうです。 実験では肥満など中高年にありがちな要素を持つ中年のマウス(一才)を三つのグループに分...
糖尿病のニュースと解説

第五十一話:関越自動車道バスの死傷事故と高額すぎる幹線鉄道料金

先ごろ起きた関越自動車道の高速バス事故(以下関越)は悲惨。 現在は集客業者、運転手兼白バス業者、バス会社の業務停止処分、認可取り消しなどが話題となっている。 関係者の責任問題で騒ぐのも良いが、もっと大事なことは、 「どうしてこのような事故がおきたのか」ではないか。 ディズニーランドが目的地とはいっても数人だけ。 実情は金沢・東京間の交通手段。 世界一ともいえる高額な交通費を節約しようと最安交通手段のバスを選択。 それも路線バスの半分以下の3500円くらいの粗悪な激安バスを利用せざるを得ない人々。 零細な業者が程度の低い運転手と整備の悪い車両で高速バスを走らせては 危ないのはあたりまえ。 起こるべくして起きた事故だろう。 どんな所得層の人にも家族旅行や帰省、冠婚葬祭、就職、受験などで長距離旅行の需要は 大きいが交通費は高止まり。 自家用車は金沢東京間600キロのガソリン代が9千円から1万2千円くらい(ハイブリッドカーを除く)。 高速道路料金が約1万円。鉄道料金は13470円。 航空運賃だけは1万円くらいで探せるが小松から。 すべて片道だから、どれもが先進諸国に較べ、はるかに高い料金。 最...
健康と食品の解説

L-シトルリンが乳酸を減少させ筋肉疲労を回復させる

文中のL-が無いシトルリンもすべてL-シトルリンのことです. 1. L-シトルリンの筋肉疲労回復効果の実験 欧米では、シトルリンが筋肉を酷使するアスリートに愛用されていますが、その歴史は比較的新しいものです。 シトルリンは心臓、脳、気管支など血管に関わる疾病や、性機能の改善が期待できます。 その作用機序解明は、窒素による血管拡張のメカニズム発見により説明されていますが、 筋肉エネルギーに関する作用機序解明は不明でした。 その糸口が見出されたのは2002年ごろからです。 シトルリンの筋肉エネルギーに関する作用機序解明の論文はアメリカばかりでなく、 イタリア、フランス、ドイツなどに多いようです。 筋肉疲労を訴える人を対象にシトルリンの筋肉回復効果を測定した実験がフランスにあります。 フランスでの実験は磁気共鳴装置(P-Magnetic Resonance Spectroscopy (MRS)を使用し、 この種の実験の定番である、指の屈伸時(深指屈筋:musculus flexor digitorum profundus)の代謝を測定しました。 測定されたデータはニューメソッド・リサーチ社(...
オメガ3脂肪酸のニュースと解説

魚油とオメガ3がジャンクフードで損傷した脳機能を回復

脳神経新生に与える害を魚油が減少させることに関して 世界に180件以上の研究論文がありますが、 その論文を分析し証拠(エビデンス)を得ようと試みたのが 英国のリヴァプール大学老化循環器疾患研究所。 リヴァプール大学は創立1881年の国立大学。 イングランド北部リヴァプール市に立地します。 医学、薬学部門で数々の実績を上げていますが、 実践的な健康科学や生活科学(health and life sciences)で著名。 1.ジャンクフードが脳に与える悪影響を魚油が制御する 「Fish oil may stall effects of junk food on brain」 表題の調査報告はリヴァプール大学老化循環器疾患研究所 (Institute of Ageing and Chronic Disease University of Liverpool)の 研究者チームによるもの。 研究者らは「魚油が体重減少に重要な役割を果たすかどうか」の関連研究群には 「満足すべき証明データがあるか」を調査分析し、そのレビューを明らかにしました。 この研究は肥満の原因となるジャンクフードが脳にあたえ...
しらす・さぶろうの日本人がんばれ!観光立国編

第五十〇話:「驚くべき東京スカイツリーの高額入場料」

(写真上)クアラルンプール(マレーシア)の KLタワー421m(Menara Kuala Lumpur:展望台282m:1996年完成). 何故かいきなりの大幅値上げで欧米人に評判が悪いが、それでも入場料は1200円くらい。 ランドマークのペトロナス・タワー(452m)の展望台(下記に写真)は160mだが無料。 街の展望ならばこれで十分. 東京スカイツリーが来週の22日(2012年5月)に開業する。 経済効果も高く、政治、経済に閉塞感を感じている都民や観光客に明るい話題として待望の施設。 どこの国でも市街を展望できる高所は観光客の人気スポット。 ところが驚いたのは展望塔への入場料。聞いて驚かなかった人はいるのだろうか。 一時間かからない電波塔見学が一人3500円。高齢者や家族割引は無い。 家族四人で入場料金は1万円を超える。 世界一といっても過言でない高い交通費を加え、水族館や食事代を加えれば合計いくらになるのか?。 おそらく低所得層を切り捨てて企画しているのだろう。観光立国を目指す 他の地方自治体や国土交通省からクレームも出ない不思議。 バブル最盛の発展途上国の料金を参考にし、物価水...
湘南文化よもやま話:湘南を愛した人々

湘南でヨットを楽しんだ紅花のロッキー青木: 成功の秘密はファミリーの協力

湘南が大好きで鎌倉市材木座に小型ヨットを置いて楽しんでいたロッキー。 夏になると奇抜な衣装でアメリカの大型車を乗り回す姿が懐かしくなります。 1960年代の初めに、米国へ単身出かけて、欧米人相手にレストランビジネスを成功させた日本人、ロッキー青木。 レストラン経営や起業を目指す、当時の若者にとって英雄でした。 米国のマスコミはロッキーをa talkative adventurous figure(多弁で、冒険好きな人) chain's colorful founder.(チェーン店の多彩な創立者の 多様な行動と彼の服装を掛けた言葉) などと呼んでいました。 第二次世界大戦の後、1950-60年代のアメリカは、戦勝国の中心国として、 文化的にも、経済的にも世界のリーダーとなり、隆盛を極めていました。 一方、敗戦国の日本の海外貿易は、急増しているとはいえ、輸出入合わせて100億ドルに満たない規模。 外貨は不足し、サービス業の海外進出など考えられなかった時代。 その時代に米国へステーキレストランチェーンを進出させたこと自体、意表をつく行動でしたが、 ニューヨークのマスコミやレストラン業界を手...
オメガ3脂肪酸のニュースと解説

流動性知能を向上させる天然シス型オメガ3脂肪酸

タイトルの流動性知能(fluid intelligence)とは*結晶性知能(crystallized intelligence)の 対極にある言葉。 精神医学や認知症介護、治療に携わる方にはおなじみの言葉ですが、新たな知識を学習する能力。 記憶能力、認知能力、頭の回転の速さと言い換えることもできます。 *結晶性知能:記憶を積み重ねて蓄積されたものは結晶化するということでネーミング。 1.ワーキング・メモリー(作動記憶)をオメガ3が高める 「健康な若者のワーキング・メモリー(作動記憶:短期的な記憶の蓄積)を 青魚のオメガ3が高める」という研究を発表したのはピッツバーグ大学の研究者ら。 「健康な若者のワーキング・メモリー(作動記憶)をオメガ3が高める」 Omega-3 Intake Heightens Working Memory in Healthy Young Adults 記憶力ゲームのトップグループの記憶力向上に関する最初のオメガ3論文が掲載されたのは 2012年10月3日の科学情報誌プロス・ワン(PLOS One) 魚や草食家畜に見られる必須脂肪酸の天然オメガ3は人体が機能する...
世界の健康と食の安全ニュース

出血性脳卒中リスクを高める合成VEサプリメント

米国では厚生省が主体となって大学や研究機関とともに、健康に良いといわれる食品や ビタミン、ミネラルの効能や安全性を大規模に調査、分析をしています。 10年以上の調査期間、数万人、10万人を超える動員は行政の資金的協力なくしては不可能。 うらやましい限りの保健体制です。 健康に関する政府管掌機関の多いボストンでは心筋梗塞に対するビタミンEの効果を 調べるのに9つの異なった大規模な分析研究(meta-analysis)が進行中。 その中の一つに、ビタミンEサプリメント(一般的なサプリメントは化学合成されたdlα-vitaminE)は 出血性脳卒中(hemorrhagic stroke)のリスクを高めるとの報告がありました。 研究は英国医療ジャーナル2010年11月号(British Medical Journal )に掲載。 この発見は「ビタミンEサプリメントの使用は我々が考えているように安全ではないこと、 少なくとも出血性脳卒中(hemorrhagic stroke)には、ある程度の害があることを示している」と 研究を主導したシュルク博士(ブリガムヤング大学婦人病院予防医薬品部 :Bri...
世界の健康と食の安全ニュース

ヒジキの無機ヒ素(亜ヒ酸)は危険な発がん物質?

2013年7月5日に国立がん研究センターは1府8県の45才から74才の男女9万人 を11年間追跡したコホート調査(大規模調査)を公表しました。 内容はヒジキなどの食品ヒ素に肺がんリスクが高いことの警告。 調査では対象者が摂食する75品目の食材からヒ素量を計算。 この間に肺がんを発症した7000人との関連を調べたものです。 最大摂取者群(無機ヒ素を102μ/日)と最低摂取者群(無機ヒ素を36μ/日)を比較すると 男性で28%、女性で37%の割合でリスクが高まっていることを確認したそうです。 喫煙者は男性では28%が38%になるそうです。 ノギボタニカルでは2004年に英国食品企画庁がヒジキの無機ヒ素の危険性を指摘した時点で 下記の報告をしています。 1. 英国の食品企画庁がヒジキの摂食に警告 2004年7月28日に、英国の食品企画庁(Food Standards Agency)が海藻に含まれる 無機砒素(inorganic arsenic)の調査報告を発表し、これを受けて 英国政府がヒジキを食べないように全国レベルの警告を出しました。 食品企画庁(Food Standards Agenc...
健康と食品の解説

放射線被曝の害を防ぐ小さな分子ブドウ・レスベラトロール

「Resveratrol: A New Small Molecule Radioprotector.」 ブドウ・レスベラトロールといえば抗がん剤、抗ウィルス剤、抗炎症剤、 神経保護剤の開発が知られていますが、 ピッツバーグ大学医学部の科学者達がアセチル化したレスベラトロール(acetylated resveratrol)が 放射線被曝の害やテロによる放射線漏洩の危険を防ぐことを発見しました。 アセチル化(Acetylation)は体内で自然に行われてもいる反応で 有機化合物中の活性化した水素原子がアセチル基で置き換わること。 合成化学では必要機能を求めるために触媒を使用して意図的に置き換えたり、除いたりします。 発表されたのは2008年9月下旬にボストンで開催された 全米放射線がん治療協会の50周年記念年次総会 (the 50th Annual Meeting of American Society for Therapeutic Radiology and Oncology :ASTRO) 放射線被曝の害を防ぐ小さな分子ブドウ・レスベラトロール科学者達をリードしたのは ピッツバーク大...
しらす・さぶろうの日本人がんばれ!観光立国編

第三十五話:目先の経済性に狂奔する観光業界:マイスとは何か?

格安航空に全日空が参入。日航もそれに続く。 エアー・アジアやバージンが築いたビジネスモデル。 レギュラー路線を持つだけに、カニバリゼーション(人肉食=共食い)で業績がさらに悪化。 物価高の日本を避けて国外脱出組みがさらに増加。 国内観光地の空洞化。 格安航空はアウトバウンドで盛り上がり、観光の内需を否定する弊害のほうが大きくなるだろう。   観光立国政策や業界のインバウンド戦略をつぶさに見れば、どの案も 高い客単価を期待するものばかり。 どうして航空機だけが格安を企画するのだろうか? 格安ホテル、格安旅館、格安タクシー、格安国内バス路線、格安リフトのスキー場、 格安ゴルフなどが続出して欲しい。 格安を謳うところもあるが、まだまだ高い。 旅行経費はトータルで論ずべきもの、アンバランスが継続しては目標達成が困難。   日本はカラオケ、アニメ、ラーメン、居酒屋、カジュアルウェアーなどなど 大衆文化の評判が良い。 世界的に評判の良い日本風外食産業も幅広い選択肢を持っている。 残るは宿泊費、国内交通費、遊興費。 ところが業界も行政も薄利多売は手数がかかる、最少の労力で儲かるビジネス客 富裕層を対...
トランス脂肪酸のニュースと解説

禁断の実を選択す食用油多国籍企業 のトランス脂肪酸フリー

トランス脂肪酸研究会 乃木生薬研究所は、1990年代より トランス脂肪酸の排除に 取り組んでいます。 1.トランス脂肪酸か?遺伝子組み換えか?飽和脂肪酸か?の選択 食の安全問題で、新御三家ともいわれるのが、「食品添加物」、「遺伝子組み換え」、 「トランス脂肪酸(トランス脂肪)」の有害論です。 なかでも15年前頃より急浮上してきたトランス脂肪は、健康障害をおこす諸悪の根源と もいわれるようになり、現在では大手食品会社最大の関心事となりました。 トランス脂肪酸は悪玉コレステロールを増やし、肥満や、重大疾患である心筋梗塞、脳卒中、 2型糖尿病、胆石、アテロームのリスクファクターとして最大のものであるといわれています。 特に心臓の冠状動脈疾患死亡者が年間50万人を越える米国では、トランス脂肪の排除に 真剣に取り組み、2006年1月1日には3年間の猶予後トランス脂肪酸表示が義務化されました。 ヨーロッパの先進各国はこれに追従する動きを見せ、トランス脂肪の削減ないしは追放を 迫られる大手食品会社の悩みは尽きません。 加工食品の40%以上に食用油が使用され、トランス脂肪に深く関与しているからです。 ...