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健康と食品の解説「バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり」

バルクワインの重金属汚染と無添加ワインのからくり

狭い国土にはブドウ栽培適地が少ないために栽培は食用ブドウが優先.
国産ワインの原料となるブドウは総生産量の1割もありません。
2016年10月に国税庁より発表されたデータでは日本産といえるワインは18.7%.
(山梨県甲府盆地のブドウ畑)

 

1. ワインの重金属汚染とミネラル含有量のラベル表示

ワインには様々な善悪の金属成分が陽イオンの形で存在します。
添加物ではありませんがクロム、マンガンなど有害金属イオンが
過剰なワインの場合は、パーキンソン病、活性酸素による心臓の損傷、
発癌の原因となる可能性も否定はできません。
ワインはヨーロッパの日常生活に欠かせない食品。
有害性は永らく伏せられてきましたが2007年にワインの重金属汚染調査が
食品と金属汚染の専門家であるイギリスの研究者、ノートン教授と
ペトロッチ博士により発表され話題となりました。

調査は代表的ワイン生産国よりいくつかのテーブルワインを選び
そのミネラル含有量を調べたものです。
国別に有害金属含有量を報告しましたが、特定農産物の安全性を産地や
生産者ではなく国別に比較することは困難な作業。
その意図は別なところにあったのでしょう。
研究者によればその意図はおろそかにされているワインの安全性。
1970年代頃よりラベル表示されない有害化学物質が自然ばかりでなく
意図的に含有されている実態に危機感を抱いたといわれます。
「ワインは有害重金属汚染が懸念されるため、ミネラル含有量の
ファクトシートをラベルに明示すべし」が博士らの主張でした。

 

2.オーストリーワインのジエチレングリコール添加事件

直接の背景となったのはヨーロッパのワイン業界を揺るがした
オーストリーワインのジエチレングリコール(diethylene glycol)添加事件。
その有毒化学物質汚染ワインが販売契約をしていたドイツの量販店に
大量に供給され続け、2008年ごろになって、ようやく摘発されました。

スーパーマーケット経由でワインが大量販売されるようになると
価格競争力のある大手メーカーの比重が高くなります。
ところがワインは農産物。本来はファミリー小企業の分野。
毎年均質なブドウが採れるわけではありませんから同一ブランド品を大量に
生産することはできません。
その無理を承知で大量生産しなければならない弱点の表面化が
ジエチレングリコール汚染事件。
ジエチレングリコールは凍結防止剤、潤滑系に使用されることが多く
食品、医薬品に使用されることのない無色透明の工業用化学物質です。
添加によって不作年のデザートワインもトローリ甘く、
コクのあるワインに仕上がり毎年均質な味が得られます。

*ジエチレングリコール汚染事件は古くから常態化。
ヨーロッパでは1970年代からマフィアが介入するイタリア産などで
ジエチレングリコールを使用したワインが大量に販売されたといわれて
います。
日本ではバルクワインを輸入してボトリング。国産ワインとして販売されていたワインから
摘発されたこともあるようです。
中米では中国から輸入した咳止めシロップで30人以上の成人、清涼飲料で約90人の
子供がジエチレングリコールで死亡した事故が報告されています。
オーストリー事件以前のワインの場合は低級ワインを高級化し高く売る意図がほとんどでした。

 

3.マンズワイン事件が明らかにした偽装国産ワイン

オーストリー産ワインの汚染事件は日本に飛び火。
それが2008年に発生したキッコーマンが経営するマンズワイン社の
ジエチレングリコール汚染ワイン事件。
日本のワイン業界を大騒動に巻き込み、国会の委員会で糾弾されて
実態が明らかに。
腎臓などに有害な発がん有毒物質のジエチレングリコールを添加した
輸入ワインが7銘柄35万本も日本で消費されていたことが明るみに出て
刑事告訴が準備されたほどの事件でした。

この事件を契機に日本のワイン業界の様々な不条理があぶりだされましたが
糾弾の過程で表面化した最大の驚きは国産と称するワインが実際には
最大でも25%くらい。
残りはバルクで買った輸入ワインやブドウ果汁を国内で加工、ボトリングした
不当表示国産でした。
真実を知るのは監督官庁、関連省庁、メーカー、ワイン通のみ。
ラベル表示が「国産」ですから一般消費者は知る由もありませんでした。

(写真上)
親子で製造する山形産甲州ブドウ使用ワイン.山形産甲州ぶどうの樽仕込み白ワインは格別においしい.
日本のワイン製造は大量生産がむつかしく、小規模なファミリービジネスが基本であるべき.
純粋良質な国産ブドウを使用したワインは3.500円/720mlくらいになりますから
新興国ワインとの競争は正面からではむつかしいのが現実.(山形県大浦ワイン)

安価なテーブルラインは輸入バルクワインをベースに製造し、高価なラインが純国産.(山形県)
山形県のワイナリーが製造する天然発泡酒は10,000円/以上します.

 

4.ブドウ果汁にアルコールを添加すればワイン?

国会委員会糾弾でのさらなる驚きは、25%くらいといわれる国産ワインの
国産ブドウ使用率がわずか6%くらいだったこと。
約25%の大部分が輸入ブドウ果汁にアルコールを添加し、国産として
製造していることが明らかになったことです。
以前は輸入されたバルクワインを国内でボトリングして国産と称していましたが
ブドウ果汁はそれ以上の問題製法。
アルコールを添加した濃縮還元の輸入ブドウ果汁が国産ワインと称して
販売されている事実は消費者のほとんどが知らないことでした。
「偽装としか思えない悪徳商法」と、国会議員に追求されるまでは意図的に
隠ぺいされていたようです。

このような商法は均質な商品を大量に必要とする大手メーカーの専売。
各生産地の中小メーカーは欺瞞に耐えられず真実の姿に戻そうと、呼称制度を
立ち上げたりの努力をしましたが、所詮相手は大手企業。多勢に無勢。
順調に運営されているとは言えません。
消費者団体などの強い要望で業界のルールも色々作られましたが
消費者を惑わす表示は相変わらずです。

*現在の安価ワインには「国産ぶどう使用」「輸入ぶどう果汁使用」「輸入ワイン使用」
と3種の表示がありますが、アルコール添加果汁製品をもワインと呼称することが
慣例となっています。
欧米ではブドウ由来の天然アルコール(ワインやブランデーなどのスピリッツ)を果汁に
添加したものはvin de liqueur 、vin doux naturelsや
強化ワイン(fortified wine:シェリー、ポルトなど)と表示されています。
基本的に合成ワインは認められていません。下記の第4項参照.

女性が創り、女性が支えた草創期のワイナリー: 湘南に紹介されたフランス文化
湘南地方にフランス食文化を紹介したフランス帰りの戸田康子さん 湘南を人生の拠点として選んだ康子さんは日本のワインビジネス先駆者のひとり。 フランス食文化の要(かなめ)のワインも食習慣が無い太平洋戦後の日本には 商品がほとんどありませんでした

 

5.無添加ワインと大書された安価な紙パックやペットボトル

それまでワインの有害性で議論が絶えないのは
亜硫酸ガス(sulfur dioxide:二酸化硫黄)の添加でした。
常飲による健康のマイナス効果は、疑う余地がほとんどないまで研究しつくされて
います。
二酸化硫黄は白ワインやデザートワインに特に多く添加され、酸化防止に
必須ともいえる物質だけにいまだに解決ができません。

ところが現在はディスカウントショップやスーパーには無添加ワインと大書した商品が
数多く並んでいます。
これが大手メーカーの扱う濃縮還元ブドウ果汁にアルコールを添加した商品。
アルコールにイーストが殺されて発酵が進みませんから添加物は不要。
品質保持に苦労はありません。

果汁にバルクワインが混合された商品も売られていますが、
これには当然のことながら無添加表示はありません。
無添加ワインのほとんどが最低価格ラインの1.8リットル入り大型ペットボトルや2Lの紙パック。
これまでの1升ビンワインの継承品ですが、当初の1升ビンワインは
バルクで輸入された本物のワインでしたから無添加ではありませんでした。
無添加ワインには本物の有機ワインもありますが、腐敗が早く、味覚が劣るために
売れ行きは芳しくありません。
また有機表示が認められる範囲の低亜硫酸塩添加もあり得ますから
有機表示でも完全に無添加ではありません。
「輸入ぶどう果汁使用」商品の問題点はレスベラトロールやアントシアニンなどの消失と
濃縮ブドウ還元果汁原産国が不明なこと。(大部分は中国といわれています)
ワインやブドウ果汁は重金属汚染が多い飲料.
ラベル表示が「輸入ぶどう果汁使用」だけでは詳細不明です。

 

6. (参考)イギリス人がレポートしたワインの重金属汚染

調査報告をしたのはキングストン大学(Kingston University, South West London)の
ノートン教授(Professor Declan Naughton)とペトロッチ博士(Doctor Andrea Petróczi)。
発表された報告は食の安全に関するミネラル研究で著名な学者らしく、
テーブルワイン含有ミネラルの著述が詳細。
「比較分析したワインの重金属汚染指数が健康に有害なことを示した」
(Heavy metal ions in wines: meta-analysis of target hazard quotients reveal health risks)

報告されたのは電子版のChemistry Central Journal。
15カ国のテーブルワインを調査対象とし、平均的な一日のワイン摂取量を250mlと仮定。
7種類(銅、亜鉛、クロム、マンガン、バナジウム、ニッケル、鉛)の重金属含有を
調査しています。

調査は米国の環境保護庁(EPA:Environmental Protection Agency)が公表している
公式(Target Hazard Quotient:THQがベース。
研究報告ではTHQの限界や問題点も詳細に記述されています。
「THQの安全指標は永年の食生活による金属の蓄積など、他の要素を
加味しているために、かなり低めに設定されている。
また、指標は重金属の害が加速する可能性のある病人、遺伝的体質、
アルコールの過剰摂取などを考慮していない」などです。
この論文は研究の組み立てに最も重要な対象ワインのサンプル収集方法が
不明瞭。
真の意図がラベル表示を詳細にして化学物質で汚染されたワインを排除する
ことのようですから、国別の汚染度の詳細発表は省略しますが
やり玉にあがったのは調査されたほとんどの生産国。
特に汚染度の高いのがハンガリーとスロバキア。

重金属汚染の一番の原因は工場廃水などによる土壌汚染が考えられますが、
老朽化した設備と輸送方法の未熟さが推測出来ます。
ブルガリア、ハンガリー、スロバキア周辺は世界でも最も古いワインの
歴史を持ちますが、現在は大衆的なワインの産地。
日本にもバルクで輸入されて、レストラン需要のほか、
お菓子、レトルト加工食品など様々な用途に使用されていました(2008年現在)。
ワインのように一国の生産地が広範囲に散在する農産物の良し悪しを、
国別だけで比較できるのかは疑問です。
バルク・ワインでトレードされボトリングされる場合は、
複数の商社が介入するために原料生産国を特定できない場合が多々あります。
フランス産、ドイツ産を調査しているつもりが、ハンガリー産、ブルガリア産だった
可能性も否定できません。
最近のワイン輸入額は約1,000億円を超えますが、バルクワインの輸入が多かった
ハンガリー産、ブルガリア産は「その他」扱いの少量。
合成ワインを製造する濃縮還元ブドウ果汁の輸入急増でバルクワインの輸入は
急減しているのでしょう。
ブドウ果汁の輸入はブドウ生産量世界一と自称する中国からが多いようですが
表示は「輸入ぶどう果汁使用」のみ。ブドウ果汁の原産国は不明です。

 

7. ワインにミネラル類が混入する経路

ワインに存在するミネラルの自然混入ルートは幾つかあります。

製造機器: 醸造タンク、パイプなどの金属機器類が老朽化して鉄、クロム、銅などが混入
農薬: 農薬成分の銅などが混入
酸化防止剤: 醸造用のタルの消毒やボトルの添加物に使用する二酸化硫黄、亜硫酸塩など
貯蔵、運搬機器: 貯蔵タンク、バルクでの輸送用タンク、クリスタル、着色ガラスボトルなど
に含まれる酸化銅、クロム、酸化亜鉛、硫黄、酸化カリウム、
酸化アルミニウムなど多種なミネラル。
原料のブドウ: カルシュウム、マグネシュウム、カリウム、ナトリウムなど土壌由来の
善玉ミネラル。

土壌汚染がある場合は有害な重金属を土から吸収する可能性もあります。
いずれにせよ、同じ国でも上記5項目の条件が各々異なりますから、
本来は国別ではなく、産地別、生産者別で比較すべき。
一応下記の注釈を付けていますが、これは、この種の研究はファクターが多いだけに
非常に困難なことを自ら表しています。
「These studies should include the influence of grape variety, soil type, geographical region, insecticides, containment vessels and seasonal variations」
*insecticides:殺虫剤
*containment vessels:汚染された容器

(生鮮食材研究家:しらす・さぶろう)
初版:2008年7月
改訂版:2015年8月

 

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