認知症予防のおすすめ料理は豚肉とニンニク、タマネギ炒め
抗酸化性が増強された赤紫色素のニンニクとタマネギ
- 1. 認知症と脳や海馬の縮小(Cerebral Atrophy)
- 2. 体内生理的炎症(bioinflammation)の早期発見
- 3. 認知症を防ぐ継続的な軽運動
- 4. 終末糖化産物(AGEs)の制御
- 5. オメガ6(リノール酸)の削減
- 6. 老化を促進する酸化脂質の排除
- 8. 諸悪の根源トランス脂肪酸の排除
- 9. エネルギー代謝に関わる合成酵素の制限(合成コエンザイムQ10)
- 10. 脂肪肝を悪化させる過剰鉄分の制限(ウコンの危険性)
- 11. 脳を活性化させるビタミンB?摂取の強化
- 12. 動脈硬化リスクを増幅する遊離ホモシステインの排除
- 13. 生命の源泉一酸化窒素の合成促進
- 14. 人工飼料と医薬品が有害な養殖魚の敬遠
- 15. 栄養失調を招く工業化野菜の敬遠
- 16. 認知症を促進する酸化ストレスの排除
- 17. 認知力低減、脳萎縮の原因となる栄養素不足
1. 認知症と脳や海馬の縮小(Cerebral Atrophy)
過去の記憶を思い出せるが、現在は記憶力が極端に低減
ということがありませんか.
これは単純に加齢現象で片付けられません。
記憶力の減退は個人差が15年から20年はあるでしょう。
記憶力を司る(つかさどる)のはタツノオトシゴを意味する海馬(Hippocampus)。
虚血、酸欠に繊細に反応する器官です。
脳は脳幹・大脳辺縁系・大脳皮質の3つから成り立っていますが、
海馬は大脳辺縁系(だいのうへんえんけい:limbic system)の
内側側頭葉(medial temporal lobe)左右に対で存在。
左側の役割が主として記憶や言語。
海馬の形状は名前の由来であるタツノオトシゴ(写真下:右は対の干物)に似ています。
アルツハイマー型認知症、血管性認知症、レビー小体型認知症(Lewy body dementia)
や糖尿病、腎不全などでは脳のサイズ減少や海馬の損傷と縮小(atrophy)が顕著にみられます
認知症は脳や海馬のダウンサイズがはっきりしてきた時はほぼ手遅れ.
アルツハイマー型のアポE遺伝子は絶対ではありません.
心構え次第で発症を防ぐことが出来るといわれます.
認知症は予防がベストですが、早期ならば打つ手はいろいろあります.先手必勝です.
2. 体内生理的炎症(bioinflammation)の早期発見
外傷と同様に、アルツハイマー、難聴、老化、ガンなど多くの
健康障害の原因となるのが体細胞の生理的炎症(bioinflammation)。
https://nogibota.com/archives/1444
3. 認知症を防ぐ継続的な軽運動
増加し続ける認知症と健康関連支出に苦慮する米国政府は合計140分/週、以上の
ウォーキングなど軽運動と(超短時間でも)やや負荷の大きい運動を混合することを
推奨しています。
日本も事情は同じ。障害により運動が不可能な方を除き、実行をお薦めします.
4. 終末糖化産物(AGEs)の制御
アルツハイマー型認知症、2型糖尿病患者には
タンパク質(コラーゲンなど)の糖化がみられます。
コラーゲンの糖化は老化現象と捉えられていますが、糖化現象の低減工夫が老化防止、
認知症予防に役立つのではと期待されています。
高血糖値を下げるか、糖種の選択(コラーゲンは果糖と結びつきやすい)で
終末糖化産物を減らすことができると言われていますが、いまだに未明点の多い物質。
現段階では注目している、という段階です。
AGEs(Advanced Glycation End Products)
「豊洲市場のベンゼン汚染:連想させた老化促進AGEと異性化糖」
5. オメガ6(リノール酸)の削減
オメガ3とオメガ6の比率が、安価な混合植物性食用油や
増加し続ける加工食品によりオメガ6が増えすぎ、最近では1:15近くまで
バランスが崩れています。脂肪酸バランスを崩し、細胞炎症が起こりやすくなることは
イコール老化、認知症への道を進むことです。
かっての健康的な伝統食ではオメガ3とオメガ6の比率が1:1くらいでしたから、
現代アジア諸国や日米の食生活はオメガ6(大豆油、コーン油などのリノール酸)が適正量の15倍。
近代食は青魚などのオメガ3脂肪酸の摂食が減じ、リノール酸食用油を使用する加工食品が溢れて
脂肪酸摂取バランスが大きく崩れています。
「リノール酸を過剰摂取する米国民
米国厚生省ラムスデン博士が細胞炎症の危険性を警告」
上記9項にローレン・ゴーダイン博士の
パレオ・ダイエット(Paleo diet:paleolithic diet:caveman diet)解説があります。
「人類は穀物が少なく、動物性脂肪とたんぱく質が豊富な食生活をしているときは
健康だったが、人工的な食品が増えて病気になりやすく不健康になった。
食生活は原点に戻るべきというのが主旨 」
これは炭水化物過剰と脂肪酸バランス崩壊の指摘にほかなりません。
6. 老化を促進する酸化脂質の排除
酸化脂質はトランス脂肪酸と同様な危険性を持ちます。
植物性食用油は急速に酸化します。開栓後は速やかに使い切りましょう。
使用後の油の再利用は同日中.その後は思い切って捨てましょう。
「老化、癌を招く油脂過剰症は過酸化脂質(ペルオキシド)の過剰摂取:
食用油の酸化防止法」
7. 神経と生殖機能障害の原因となるアクリルアミドの排除
高温での揚げ物、焦げた焼き物は発がん、認知症に加えて
神経機能と生殖機能にも害があります。
「ポテトチップス、フレンチフライのアクリルアミドで発がん、
神経と生殖機能にも障害」
8. 諸悪の根源トランス脂肪酸の排除
「認知力低減、脳萎縮の原因となる栄養素不足とトランス脂肪酸の摂取」
9. エネルギー代謝に関わる合成酵素の制限(合成コエンザイムQ10)
エネルギー代謝の衰えは老化を意味します。
細胞内でエネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)の
生成に関わる天然のコエンザイムQ10は、経年によって体内生成量が
減少していく、といわれていますが、必要量も減少していきます。
体内では必要量が毎日生成されていますから、合成酵素の必要以上の摂食は
残された体内生成能力が、さらに衰えるようになり、逆効果というより
急速な老化を招く危険性があります.
「合成コエンザイムQ10(Coenzyme Q10)過剰摂取の危険性」
10. 脂肪肝を悪化させる過剰鉄分の制限(ウコンの危険性)
鉄分は若い女性やアスリート、激しい肉体労働者以外に不足することは
まずありません。
むしろ過剰になることが多く脂肪肝、糖尿病を促進し、老化を早める危険性があります。
鉄分の多いウコン(クルクミン)が肝臓障害(ナッシュ)*の原因となるといわれる
所以(ゆえん)です。
飲酒時に愛用する人がいますが特に危険な行為です.
*ナッシュ(NASH):非アルコール性脂肪性肝炎(non-alcoholic steatohepatitis)。
鉄分の体内蓄積量は成人男子で総量が6-8グラム。
必要量が赤血球(ヘモグロビン)、筋肉(ミオグロビン)、肝臓(フェリチン)等に
蓄積されています。
「過剰鉄分は寿命を縮める」 Q&A :脂肪肝、糖尿病の原因にも」
11. 脳を活性化させるビタミンB?摂取の強化
ビタミンB類は若さを保つビタミン。
老化や生活習慣病を抑制する若返りのビタミンとして知られます。
特にビタミンB?はエネルギー源であるおコメなど炭水化物をエネルギーに変換し
若さを保ちます。
玄米や米糠に豊富に含まれて脳細胞の健康に寄与していますが、ビタミンB類が
豊富な豚肉には、どの部位からも一日所要量のビタミンB?約1㎎前後が得られます/100g.
豚肉をニンニク、タマネギなどと炒めた料理はアリシン複合物がビタミンB?の吸収を
促進させます。認知症予防には最適な料理です。
米ぬかパワーで日清、日露戦争を勝利に導いた海軍軍医
12. 動脈硬化リスクを増幅する遊離ホモシステインの排除
ホモシステインは肉類などの摂取で得られる必須アミノ酸(体内生成されないアミノ酸)の
メチオニン(methionine)から作られます。
功罪を持つアミノ酸(C4H9NO2S:2-Amino-4-sulfanylbutanoic acid)として重要な働きが
ある反面、動脈硬化の原因ともなり、老化、生活習慣病の大敵。
アミノ酸類の遊離ホモシステインが血管内皮細胞を障害し、血栓形成、
動脈硬化のリスクファクターとなります。
ホモシステインは悪玉LDL-コレステロールの過酸化による血管壁への
LDL沈着を促進します。
血中ホモシステイン濃度の上昇は
窒素の合成能力阻害(男性機能の低下、脳心臓血管障害、網膜症)
血管平滑筋細胞の増殖を刺激し、膠原繊維 (コラーゲン線維) の
過剰な合成を引き起こします。
また、酸素ラジカル(活性酸素)の過剰生産誘導が血小板の凝集による血管の障害、
細胞間物質の沈着、カルシウムの沈着、血栓症などを引き起し。
糖尿病性の神経障害促進、妊娠合併症、アルツハイマーなどにも関連します。
ホモシステインの有害性を制御するのがビタミンB類.
「動脈硬化リスクを増幅する過剰ホモシステイン
危険性を低減させるビタミンB群とは」
13. 生命の源泉一酸化窒素の合成促進
認知症を防ぎ若さの源泉となるのが体内の窒素.
窒素が活躍するのは細胞内のエネルギー代謝に関わるサイクリック・ジーエムピー(cGMP)を
合成する酵素(SGC)の活性化
サイクリック・ジーエムピー合成には阻害する酵素(ホスホジエステラーゼ:PDE)がありますが
窒素供給がこれを防ぎます.
ED治療にはこの酵素(PDE)の働きを阻害する医薬品(バイアグラ、レピトラなど)を
使用する方法と、それに負けないようにcGMPの濃度を増やす二通りの方法があります。
阻害酵素ホスホジエステラーゼ(PDE)には重要な役割もあり、単純に阻害するのは不自然で、
副作用が懸念されます。
阻害にはサイクリック・ジーエムピー(cGMP)の濃度を高める工夫が自然であり、
より安全なのはいうまでもありません
「一酸化窒素合成(NO)とサイクリックジーエムピー(GMP)の産生」
14. 人工飼料と医薬品が有害な養殖魚の敬遠
大量に消費される魚介類は一部を除いてほとんどが養殖もされています。
日本の養殖魚介はすでに総漁獲量の半分を超え、
メジャーな魚介類で天然のみをキープしているのはイカ類、かつお(スマを除く)くらい。
鯛、ヒラメ、ブリばかりでなく国民魚とも言われる鯵(あじ)やイサキ、カワハギ、
カンパチも養殖されています。
人工飼料は魚油の自然な脂肪酸バランスを崩し細胞の炎症を招くために老化を促進します。
また抗生物質など抗菌医薬品は老若男女に有害です。
養殖の表示は義務となっています。表示が無い場合は遠慮なく質問しましょう。
天然魚類も完璧ではありません。海域と魚種を選ぶ必要があります。
海域によってはダイオキシン、水銀等の海洋汚染により神経が侵される危険があります。
幼児、妊婦はマグロなど大型魚は食べ過ぎないように特に注意しましょう。
「猛毒ダイオキシンと魚介類の汚染:安全ではない日本の近海魚」
15. 栄養失調を招く工業化野菜の敬遠
水耕栽培、人工太陽など工業化野菜が増えていますが、従来型のビニールハウスや
露地栽培とは栄養素が異なります。
消費者個々が必要とする栄養素が十分かどうか生産者に確認してください。
栄養失調は認知力低減、脳萎縮の原因となります。(第17項参照)
工業化は害虫対策、全天候対応、歩留り向上、作業の簡便性など生産者の便宜が
優先されているため消費者の健康維持に関する栄養分の検証がほとんどありません。
現段階では詳細は述べられませんが、将来的には大変大きな問題です。
当面は出来るだけ従来型栽培作物を選択したいと思います。
「新鮮野菜の工業化、工場化で失われる栄養素:
Declining Fruit and Vegetable Nutrient Composition」
上記は最近の50年間で新鮮野菜の栄養素が相当量減少しているという
仮題の調査研究。進めているのはテキサス大学農学部バイオケミカル研究所
上記報告は「タイの健康野菜」取材記事のトップ項目に記載
フランス南西部の「イチゴ摘み」
小粒ですが適度な酸味が自然でとても美味しい.
大粒で甘味が強いハウス栽培の品種改良種にはかないませんが
フランス人は過度の品種改良を嫌い、食生活への関心は味覚が全てではありません.
16. 認知症を促進する酸化ストレスの排除
紫外線などで皮膚の老化を早める酸化ストレスは認知症発症も早めます。
米国では老眼や視力低下の原因は加齢ばかりでなく酸化ストレスの増加ともみなされています。
米国には最終的に視力が損失する人を含めて網膜損傷(retinal degeneration)を持つ
患者が数百万人。
酸化ストレス過剰による網膜の損傷は加齢による
萎縮型黄斑変性(macular degeneration)も発症します。
「萎縮型黄班変性症も酸化ストレスによる損傷」
17. 認知力低減、脳萎縮の原因となる栄養素不足
認知症やアルツハイマーの原因となる脳の委縮(cognitive ability, brain shrinkage)は
加齢だけではなく、食生活(Diet, nutrient levels )で大きな差がでることを突き止めた
研究者(オレゴン州)の報告があります.
「オメガ3脂肪酸とビタミンB、C、D 、E の血中濃度がハイレベルな人は、精神的鋭敏さを持ち、
加齢による脳委縮が最少で済むが、これらの栄養素が少ない食生活をする高齢者は
正反対の結果となる」ことが米国神経学会(the American Academy of Neurology)の
機関誌「神経:Neurology 」に発表されています。
87歳平均の高齢者104名が調査対象となっていること、30種類の栄養素の血中濃度と
脳の量を調べたことは、これまでにない試みです。
「認知力低減、脳萎縮の原因となる栄養素不足とトランス脂肪酸の摂取」