エネルギー源となるエーティーピー(ATP:アデノシン三リン酸)とは: 合成コエンザイムQ10(Coenzyme Q10)過剰摂取の危険性
1. エーティーピー(ATP)は生命維持のエネルギー源となる物質
生命を維持するエネルギー源となる物質がエーティーピー(ATP:adenosine triphosphate)
ATPとはDNA(遺伝子)の構成要素であるたんぱく質のアデノシン(adenosine)に
リン酸を二つ余計にとりつけたものでアデノシン三リン酸とも呼ばれます。
三栄養素(炭水化物、たんぱく質、脂肪)を摂取した人体で消化吸収された分子は
三つの経路(解糖、クエン酸回路、電子伝達)を経てエネルギー源となる
ATP(アデノシン三リン酸)をつくります。
三つの経路は下記部分で反応されます。
a. 解糖:細胞質の液状の部分(細胞質基質、マトリックス)。
b. クエン酸回路(ATP回路):細胞内のミトコンドリアのマトリックス。
c. 電子伝達:ミトコンドリアの内膜。
2. アデノシン一リン酸(AMP)とアデノシン二リン酸(ADP)
アデノシンにリン酸が結合したものには、アデノシン一リン酸(AMP:adenosine monophosphate)と
アデノシン二リン酸(ADP:adenosine diphosphate)もあります。
アデノシン二リン酸はアデノシン三リン酸(ATP:adenosine triphosphate) から
リン酸を外しても作られますが、
アデノシン二リン酸をベースに、もう一つのリン酸を加えてアデノシン三リン酸(ATP)を
合成することもできます。
これがエネルギーがいろいろな経路でつくり続けられる仕組みです。
3. ATP(アデノシン三リン酸)を作り出す前駆体
ATP(アデノシン三リン酸)を作り出す前駆体の電子伝達系たんぱく質には
いくつかのたんぱく質複合体があります。(下記のエネルギー生成図を参照してください)
ⅠとよばれるNADH-CoQレダクターゼ
Ⅱとよばれるシトクロームb
ⅢとよばれるCoQシトクロムcレダクターゼ
Ⅳとよばれるシトクロムcオキシターゼ
4. ATP(アデノシン三リン酸)の最大原資はブドウ糖
エネルギー源となるATP(アデノシン三リン酸)を作り出す最大の原資は
炭水化物が分解されたグルコース(ブドウ糖)。
グルコース(ブドウ糖)は分解されてピルビン酸となり、アセチルCoAをへてコハク酸となって
クエン酸回路(ATP回路)に入ります。
ピルビン酸は酸素なしに二分子のATPを作り出しますが、さらにたくさんのATPをつくるためには
アセチルCoAに変化するのが理想ですが、それには酸素も必要です。
代謝促進に有酸素運動が奨励される理由の一つです.
※(最終的にミトコンドリア内膜に蓄えられた電子が十分であればグルコース一分子から
ATP38個を生成)
ピルビン酸に酸素が不足していると乳酸エタノールがつくられて、筋肉疲労の元となります。
栄養素は酵素による変換段階を経るほどエネルギー生産効率が高くなりますが、
橋渡しする物質なくしては、どの原資もがすべての段階を経由できるとは限りません。
ATP(アデノシン三リン酸)生産のハイライトが三経路の内の電子伝達ですが、
その電子のメッセンジャーといわれるのがCoQ10(ユビキノン:補酵素Q10)。
5. 細胞内小器官のミトコンドリア内におけるATP生産
6. コエンザイムQ10(Coenzyme Q10)の役割
天然のコエンザイムQ10はこのようにエネルギー生産に深く関連しています。
生命活動の源であるエネルギーに関連して、細胞を活性化し、大エネルギーが
必要な細胞で構成される心臓、血管のスムースな働きに関与します。
天然のコエンザイムQは酵母から高等生物まで広く存在します。
天然のコエンザイムQには判明しているだけでCoQ6から10の各種が存在します。
細胞内小器官ミトコンドリアの呼吸鎖はキノンと呼ばれますが、これに
イソプレノイド鎖* (isoprenoid)が結合しているのがCoQであり、その鎖の数で
6-10の呼び名をつけています。
*イソプレノイド (isoprenoid)はイソプレンを構成単位とする炭化水素で
テルペノイド (terpenoid)と同義の天然有機化合物の総称。
天然ゴムなどを合成します。
天然のコエンザイムQ10の役割は電子を配達するメッセンジャー。
人の細胞や組織にはひろく存在し、ビタミンQともいわれるビタミン様物質。
天然のコエンザイムQ10は経年によって体内生成が減少していくといわれていますが、
必要量も減少しています。
体内では必要量が毎日生成されていますから合成酵素の必要以上の摂食は
体内生成能力が衰えるようになり、逆効果というより危険です。
またCoQ10(コキューテン)はそれのみでは能力を発揮できません。
ビタミンB群、アミノ酸などとの協働があって初めて機能するようになりますが、
体内生成能力を高める努力をすることと、食品からの自然な摂取が一番です。
ノギボタニカルは2000年に日本で初めて
補酵素のCoQ10(Coenzyme Q10:コキューテン)サプリメントを
製造販売しましたが消費者が効果を過剰期待.
過大摂食するようになり、危険回避のため、現在は販売を中止.
ブドウ・レスベラトロールのレスベに体内合成機能を損なわない量を配合しています.
改訂版:2008年5月
改訂版:2015年10月