結核予防のBCGがCovid19とⅠ型糖尿病を制御する 日本人のSARS-CoV-2重症者、死者が突出して少ない理由

BCG汎用ワクチンに新たな効用が報告されました。

内外共に研究論文の実験データ捏造は後を絶ちませんが
日本では著名な有名大学の医学研究者がサイエンス誌などに掲載されてから
取り消されるというような不祥事が頻発しています。
このコラムでご紹介する疫学研究は世界的にトップクラスの米国の研究所より発表された
信頼すべき研究ですが、研究途上の中間発表であり、完璧な結論には至ってはいないと
注釈されています。
ノギボタニカルではCOVID-19の蔓延が始まった2020年にBCGとCOVID-19
の有用説を解説しています。読んでいただけたら、お役に立つことがあると思います。

 

BCG接種有用説はCOVID-19抑制に間に合うか?
人との接触回避8割減が政府のスローガン。 そんなことが出来ない、様々に異なる事情を抱える国民が 官民の歴史ある組織に所属する人より、はるかに多いのが現実。 政府要請では被害者に必要生活費の補てんを考えているようですが、 国民の大...

 

1. 世界が驚いた日本人の突出して少ないCovid19重症者と死者数

2020年は年初から世界中にSARS-CoV-2が拡大しパンデミックとなった年。
2019年後半に武漢で発生したSARS-CoV-2が横浜港に上陸した年です。

世界では武漢発生が公表された約1年後の2020年11月には
感染者5,000万人、死者130万人。
感染者が激増した米国は同時期の数字では感染者1,300万人弱、死者が26万3千人。

ところが日本人は同時期に感染者15万人、死者は2,100人
*アバウトな統計数字とはいえ、この時点では感染者が米国の約87分の1。
死者は約123分の1。
12月となっても日本人の死者は3,500人弱。世界が驚いた極端に少ない数字です。

*アバウトなCOVID-19の統計数字
感染者数は国ごとに検査方法が大きく異なるために、元来各国とも他国との
比較統計を重要視していません。
昨年2021年末ごろから感染力の強いオミクロン株やその変異株が世界に蔓延し、
ほとんどの国や地域では集団免疫を獲得したために、感染者数の調査はさらにナンセンス。
2022年6月10日以降からは、ほとんどの国が発表を中止しました。

オミクロン変異株は日本人の特殊な感染回避能力といわれる
ファクターX免疫抗体を無能にし、日本の2022年の感染者数は爆発的に増えていますが、
それでも欧米先進国に較べて累積感染者数がはるかに少なく、重症者、死者は
ほとんど増加していません。

現在発表されている重症者、死者数は例外的な合併症の特殊ケースであり、
オミクロン株が強毒化しているわけではありません。
オミクロン変異株による直接的な死者はアナフィラキシーやサイトカインストームくらいしか
考えられず、ワクチン接種によるアナフィラキシー、サイトカインストーム、
抗体依存性免疫増強(*ADE)の死者がはるかに多いといわれています。
*ADE:antibody-dependent enhancement

現在の日本の感染者増加数が欧米と較べ非常に多いのは当然ですが、2022年6月現在でも日本の感染者総合計は欧米に比べ極端に少なく、死者実数は信じられない少数です。

2022年6月の世界の感染者5億3,000万人、死者630万人。
2022年6月の米国の感染者8,500万人、死者100万人。
2022年6月の英国の感染者2,260万人、死者18万人。
2022年6月のイタリアの感染者1,760万人、死者17万人。
2022年6月のフランスの感染者3,000万人、死者15万人。
2022年6月の日本の感染者900万人、死者3万人

日本の一部メディアが、こんな小さな数字でも、「連日20万人超で感染者が増え続き、G7で最悪の増加数」と煽るのは他意があるとしか考えられません。

*オミクロン変異株が蔓延してから、世界の感染者数も増加していますが死者数は微増です。
2022年9月1日の世界の感染者: 6億人 死者: 650万人(死者は6月からわずかに20万人増)
antibody-dependent enhancement

2022年8月末でも重症者、死者がCOVID‐19によるものは、ごく、ごくわずか。
公、民(保険会社)からの給付金、公的な補償金、助成金、介護付き入院などの申請のために、新型コロナによる重症、死亡の認定書、確認書の希望者が続出しており、
ワクチン供給、接種、検査の現状維持を期待する企業グループへの政治的配慮がなされて、
発表数字が決定されているといわれています。

日本の公表感染者数は実態を反映しておらず、実数は倍以上かもしれませんが、それだけ無症状、軽症者が多いということです。
終息した時点で死者実数を比較すれば、日本民族のCOVID‐19死者がいかに少なかったかを
認識するでしょう。
医療技術、設備が優れているからというだけでは説明できません。
先端医療機器も医薬品も海外から技術導入されています。

将来の感染症対策のデータを収集する医学的目的を除き、感染者総数発表は一般人には無意味です。
いたずらに国民の恐怖心を煽る毎日の発表数字は政治的、行政的なプロパガンダの
影響を大きく受けていますから、信用度が低いといえます。

2. 世界の感染者で重症化するのは糖尿病患罹病者と肥満

SARS-CoV-2(COVID-19)の重症化患者と死者には糖尿病患者が最も多いといわれています。
またCOVID-19で重症化する人には肥満体が多いといわれましたが、糖尿病も肥満体に多くの発症が観察されています。

インスリン非依存型糖尿病または慢性高血糖として知られる2型糖尿病罹病者は2021年に世界で推定5.4億人、死者推定670万人。
日本では糖尿病患者やその予備軍が約1千万人といわれています。
(IDF糖尿病アトラス)

約1千万人という数字は、先進国との人口比では格別に多いにかかわらず、昨年末(2021年)のSARS-CoV-2感染者は173万人、死者1万8千人。
オミクロン株などが拡大し、半年前より感染者は倍増しましたが、それでも、同時期に世界のSARS-CoV-2感染者はすでに2億6,700万人、死者は530万人ですから、日本の突出した低い数字は他の先進国と比較して異常といえます

「インスリン感受性促進を仲介するGPR120Gを魚油が活性化
タンパク質共役受容体GPR120Gとは」
https://www.nogibota.com/archives/959

*主要国の感染者数、死者数は人口など諸事情の修正をせずにジョーンホプキンス大学の公表実数を四捨五入して比較しています。
各国の感染状況報告には様々なデータ把握手法、政治的事情があり感染者数、死者数共にトレンドとしては把握できますが正確な数字ではありません。

3. 日本人の感染者数、死者数がごく少ない理由

日本人の感染者が極端に少ない現象は、東アジアの一部の諸国にも共通することが指摘されていましたが、これらの国々には結核予防ワクチンBCG接種が義務化
されています。
BCGワクチンは信憑性の高い回避ファクターとして、当時、いくつかの研究報告がありましたが日本でも、山中伸弥博士がBCGほか、いくつかの*推定要素を「ファクターX」として取り上げ問題提起していました
*推定要素
味噌、醤油、納豆など発酵食品、日本人の60%位が持つ白血球型(HLA)の「HLA-A24」など「東アジア人が持つ免疫細胞白血球型の「HLA-A24」

ファクターXの解明に理研免疫細胞治療研究チームが糸口 東アジア人が持つ免疫細胞白血球型の「HLA-A24」
ノギボタニカルでは京大の山中伸弥博士がファクターXと呼称した 「日本民族が持つ新型コロナウィルス耐性」を、 疫学的ばかりでなく分子レベルでの科学的に説明ができればと提唱しています。 現在は経済を破壊してまで、欧米の政策に協調し、巨...

しかしながら、BCG接種は乳幼児対象で、世界を席巻するパンデミックには生産可能量、成人の必要接種量が不明で、すぐには対処できません。
またワクチンで世界をリードする米国の医薬品製造会社がEU主導のBCG研究開発に懐疑的なこともあり、医学医療界が取り上げることはありませんでした。

「BCG接種有用説はCOVID-19抑制に間に合うか?」2020/04/18


BCGの汎用性を追求したデンマーク人研究者らの活躍.

4. ファイザー社のワクチンとBCGワクチンの作用機序

BCGワクチンは、パンデミックウィルスCOVID-19をターゲットとした各社の抗原特定ワクチンによる獲得免疫(中和抗体)創出とは作用機序が異なります。
ヒト感染した結核菌の代わりに近似する*哺乳類(牛)の持つ結核菌を培養して接種する生ワクチンですが、多種類のウィルス感染症抑制に汎用性が
高いことが知られており、開発者らと後継者による永年の毒性軽減培養の繰り返しで安全性が認められ新生児、乳幼児に接種が続けられてきました。
端的に表現すればファイザー社のワクチンは特定疾患への対症予防目的ですがBCGワクチンは人の持つ自然免疫(白血球のT細胞)の記憶に頼る理想的な予防法です。

* BCG:バチルス・カルメットゲリン(Bacillus Calmette-Guérin)
結核菌(Mycobacterium tuberculosis)の生菌を薄めて接種するワクチン。
実際には種がごく近い、牛由来のMycobacterium bovis。
Calmette-Guérinは開発した二人のフランス人研究者の名前

5. マサチューセッツ総合病院のBCGワクチン新用途の研究

BCGワクチンの持つ汎用性の高い自然免疫力が結核菌予防以外にも有益との研究は、これまでにもいくつかありますが、「お墨付きを得た」ともいえる信頼性の高い疫学研究が2022年8月15日にボストンの*MGH免疫研究所より発表されました。
*MGH:マサチューセッツ総合病院:Massachusetts General Hospital
*マサチューセッツ総合病院免疫研究所;MGH ImmunbiologyLaboratory

1811年に創立されたMGHは2022年に全米ベスト病院(America’s Best Hospitals)
第5位に選ばれています。
付属研究所は30か所の専門研究施設にスタッフ9,500人を擁し、年間約130億円の研究費を投じている全米一の医学研究所です。

 

今回発表された研究はMGH免疫研究所において2020年初から2023年まで続くコホート調査(大規模疫学調査)の中間報告ともいえるものです。
研究報告は8月初めに臨床生物医科学専門誌
「細胞医学レポート誌(Cell Report Medicine)」に掲載されました。

MGH免疫研究所の論文では1型糖尿病患者を対象にBCGがCOVID-19コロナウィルスに有用なことを明らかにしています。
研究所では、その疫学調査の結果、92%の有効が確認されたと報告しました。

「複数回のBCGワクチン接種によりCOVID-19感染に脅かされるⅠ型糖尿病患者を
護る(Protect
*Multiple Shots of the Bacillus Calmette-Guerin (BCG) Vaccine Protect Patients with Type 1 Diabetes from COVID-19

ボストンのMGH免疫研究所ではファイザーなどのCOVID-19専用ワクチンが緊急承認(2020年12月11日)される前から、*Ⅰ型糖尿病患者対象にBCGワクチンのCOVID-19への抗体有無の二重盲検が大規模(コホート)に実施されていました。

*世界の1型糖尿病若年患者数は120万人以上。
その半数以上(54%)が15歳未満。
糖尿病は2021年に110兆円(9,660億ドル)もの巨額な医療費負担を世界に強いており、過去15年間で316%も増加。
医薬品は次々に改良されて発売されていますが、耐糖能異常(IGT)のある糖尿病が出現しており、医薬品による対症療法のみの戦いは苦戦しています。

「肥満と糖尿病はブドウ・レスベラトロールが予防する:
PPAR、Th2インターロイキン、GLUTとは」
https://www.nogibota.com/archives/955

6. BCGは1型糖尿病患者をCOVID-19より護るばかりでなく、他の感染症にも有用

疫学調査にはCOVID-19ばかりでなく、その感染率、症状、総体的な感染症の減少率、SARS-CoV-2の抗体の存在レベルと強度も含まれています。
「The BCG vaccine against COVID-19 and other infectious diseases
 in type 1 diabetic adults」

調査がⅡ型の5%くらいの1型が選ばれたのは、Ⅰ型糖尿病はインスリン依存型糖尿病としても知られ、体内のインスリン産生β細胞が自己免疫によって破壊されることで引き起こされると考えられている治癒率が低い難病だからです。
またⅠ型糖尿病に有用ならばCOVID-19以外の感染症にも有用だろうと推察されています。

合併症発症の危険があるⅠ型糖尿病患者には2023年にこのコホート実験が終了するまで全ての患者にBCGを繰り返し接種します。
二重盲検被験者にⅠ型糖尿病患者のプラセボ実験者はいません。
プラセボ実験者は、すべて被発症者です。
合併症発症の危険があるⅠ型糖尿病患者には2023年にこのコホート実験が終了するまで全てBCGを繰り返し接種します。

 

London School of Hygiene & Tropical Medicine  ©news release

7. 世界最高峰のロンドン大学衛生熱帯医学大学院の論文評価

*ロンドン大学衛生熱帯医学大学院の感染症専門家
ヘーゼル・ドックウェル博士(Dr Hazel Dockrell)は公式な実験参加者ではありませんが、「BCGがCOVID-19への治療結果を必要とする時期であり、その効果の継続性と恒久性報告を支持する」と述べています。
*London School of Hygiene & Tropical Medicine

8. 結核に対するBCG の接種状況

BCGは1921年に開発され、結核に対する最も広範囲な予防効用を持つワクチン.
WHOの*安全性、有用性リストでは「Essential Medicines :格別な医薬品」に掲載されるBCGワクチンは世界のどこでもUS1ドル/1回を下回る安価なワクチンとして、毎年、世界の1億人に接種されています。
*The World Health Organization’s List of Essential Medicines

Ⅰ型糖尿病患者はCOVID-19に感染すると非常に重度な症状になる恐れがあります。
このデータが素晴らしいのは全ての被検入院患者が今回のパンデミック前にBCGワクチンを複数回接種していることです。
実験前に彼らは結核に曝されていることもBCGワクチンを接種することも知りませんでしたが、余分な情報で被検に精神的悪影響がないのは重要なことです。

9. 疫学調査研究こそ人類に役に立つ

医薬品や食材の疾病治癒に対する詳細な分子レベルでの作用機序は解明に時間がかかり、医薬品製造会社が監督官庁の必要とする情報習得には
長い時間がかかります。
しかしながら実際に「治癒」「予防」が納得できる疫学は人類に最も役立つ手法です。
「医学の細かな解説は不要。必要なのは現実に治癒、予防できること」
ノギボタニカルのレスベラトロールの有用性には多くの医学論文がありますが、人体構成の本元である細胞内小器官ミトコンドリアの代謝活動を活性化する作用は老化制御ばかりでなく、多くの疾病予防、治療に働くことが疫学的研究で証明されています。

「新抗がん剤開発のヒントはブドウレスベラトロールの機能解明:
長寿の酵素が癌遺伝子発現と脳血管障害を制御」
https://www.nogibota.com/archives/3749

「免疫細胞老化の修復とレスベの役割 メタボが癌になり易いのは
Tリンパ球の老化」
https://www.nogibota.com/archives/3730

疫学(Epidemiology)は疫病(広域感染症)の発生原因や流行状態、予防などを研究する学問でしたが、コレラ蔓延後の1800年㈹末ごろより、年々対象が多様化し、現在では副作用を覚悟しなければならない医薬品による疾病治療を、前段階で阻止するために、生活習慣病、癌(がん)などの公衆衛生学、疾病予防学の重要な情報を提供する学問として近年ますます存在感を高めています。

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