型破りな米国大統領の登場と就任後の矢継ぎ早の大統領令頻発で、
米国の大手リベラル系メディア(九割以上がヒラリー支持だった)が発信源となり、
これを受けた海外の多くのマスコミ報道が、中でもリベラル支配のカナダのメディアなどは、
反トランプ騒動を日夜垂れ流しております。
確かに“公約実現のアッピール”を急ぎ、支持者に応えようとしたものの、
あまりにも過激な物言いと、政治外交的な煮詰めが欠けているとみられる、
唐突な「イスラム7か国入国制限」のような発令には疑問を抱かざるを得ません。
アメリカの大統領には、ホンの一部だけの行政権が委託されておるようですが、
「国防上、核のボタンを押すこと」以外に無謀な独裁専制は許されない筈で、
最高裁や議会がブレーキをかけられる仕組みになっています。
いずれにせよ、政治経験皆無の実業人が初めて大統領に選ばれてしまい、
当人が猛獣のように吠えまくり、MSM(メインストリーム・メディア=主流メデイア)に
噛みつくという米国の現実とその苦悩を解決するには、ペンス副大統領他の
側近・閣僚と上下院議員の中から、“猛獣使い”が早く出てくることが期待されます。
80年代、レーガンが大統領になった時も、当人が地方政治(加州知事)の経験こそありましたが
「たかがB級俳優の素人政治家だ、無知なピエロ役者だ」等々の誹謗(ひぼう)中傷が絶えず、
就任当初のソ連敵視・軍事増強策や、保護貿易主義、規制緩和、大型減税等の
過激なナショナリズム一徹の政策に対し、リベラル系メデイアの総攻撃が盛んでした。
しかしながら、時を経るに連れて、米ソ平和外交=東西冷戦の完全勝利であれ、
対日貿易政策であれ(ロン・ヤス会談が、日本側の自動車直輸量の自粛と米国工場進出を加速した)、
かてて加えて、国内景気高揚などの実効を上げ続けるにつれ、漸次(ぜんじ)評価が見直されて行き、
退任時には“名大統領”と讃えられたという史実もありました。
ここは、まもなく開かれる連邦議会における所信表明に始まる大統領としての
実務と閣僚の政策着手が開始されるまで、様子見を決め込む他、我が国にとって打つ手はなさそうです。