ふぐ毒が切り開いた神経伝達物質のメカニズム解明
超高価な食材として知られたフグも養殖の拡大により比較的身近になりましたが フグといえば誰もが連想するのはフグ中毒。 致死性毒を持つために、鉄砲、北枕、ガンバ(葬式のお棺ガンより)、 ナゴヤ(尾張、終わり)などと死を意味する別称で呼ばれます。 フグ中毒はフグ毒のテトロドトキシン(tetrodotoxin)が 神経伝達物質の出入り口、ナトリウムチャネル(後述)を閉鎖阻害するために、 神経が麻痺して起こります。 この作用は植物毒にも観ることが出来ます。 植物の重篤な中毒は大部分がアルカロイドによって 引き起こされる神経毒.アルカロイドの作用解明はフグ毒の解明から始まりました。 (写真上右)そうしはぎ(Scrawled filefish:Aluterus scriptus)神奈川県相模湾江の島近海産 (写真上左)そうしはぎ(Scrawled filefish:Aluterus scriptus)山口県下関近海産 有毒な「そうしはぎ」はカリブ、インド洋など暖海系ですが、 近年は温帯の広い範囲にも生息し東日本でも珍しくありません。 内臓に猛毒(バリトキシン)があり、温帯で食べる人は稀です。 ウスバ...